土地価格の決め方は?土地の価値を示す4つの評価額を紹介
車や食料品、家具などの商品と違って、不動産には定価がありません。
土地は、不動産の中でも考え方や状況によって価格が変わる、「一物多価」の資産だとされています。
同じ土地でも、市場価格で価値を求めるのか、それとも路線価で価値を計算するのかによって金額や購入後の資産価値に差が出てくるため、適正額で土地を買うためにも土地の評価方法を知っておくことをおすすめします。
今回は、土地価格の基礎知識として、土地の価値計算に使われる4つの評価額を紹介します。
不動産は一物多価!土地の評価額とは
注文住宅購入では、家だけではなく土地も手に入れる必要があります。
土地の評価方法や価値の決め方を知らないと、「資産価値が高いと思って高い金額で買ったのに、相続や売却時たいした金額にならなかった」といった失敗をしてしまう恐れがあります。まずは土地価格のあいまいさを知っておきましょう。
土地を始めとする不動産は、まったく同じものでも考え方によって価値が変わる、「一物多価」の資産です。
不動産は評価の方法によって価値が変わる
詳しい評価額は後で紹介しますが、不動産は「誰がどういう基準で価値を計算しているのか」によって価格が大きく変わります。
そもそも、不動産には定価がありません。
ここで、「一般的な商品も値引きなどで値段が変わるのだから、評価の方法を複数持たなくても、販売価格を基準にすれば良いのでは」と考える人もいるでしょう。
たしかに、基準を一つに絞った方が、土地価格の計算も管理も簡単です。
しかし、市場価格は、
「都市開発が始まって新しく駅ができた」
「自治体の方針が変わって子育て支援が充実した」
といった環境的な要因で上下します。
時価をそのまま税金計算時の基準として使うと、土地そのものの価値や使い勝手は同じなのに、「地価が高い年は固定資産税も高い」「地価が下がれば固定資産税も安くなる」といったバラつきが出てしまうのです。
納税や相続といった目的ごとに基準がないと、特に納税に関して不公平感が出たり、政府や自治体の税収が不安定になったりしてしまうため、目的別に複数の評価額が利用されています。
土地の価値を決める4つの評価額
一般的によく利用される土地の評価額は、以下の4つです。
・実勢価格(取引価格)
・地価公示価格(標準価格)
・路線価(相続税評価額)
・固定資産税評価額
それぞれ、価格や利用する場面が違います。
実勢価格(取引価格)とは
実勢価格(取引価格)とは、いわゆる市場で販売されている土地の売買価格、時価のことです。
ほかの評価額と違って、基本的に「欲しい人が多いと高い」「人気のない土地だと安い」というルールで価格が決まります。
地価公示価格(標準価格)とは
地価公示、いわゆる公示価格とは、毎年国土交通省が発表している「土地の基準額」です。
実勢価格を決める際、何か基準がないと、同じエリアでも土地の価格に大きなバラつきが出てしまいます。
適正額での土地取引を推進したり、公共事業用に土地を売買する際の基準にしたりできるように、公示価格が設定されているわけです。
実勢価格と地価公示価格は、同じくらいの価格に落ち着きます。
とはいえ、公示価格はあくまでも政府によって定められた基準です。
人気急上昇中の土地なら時価は公示価格より高くなりますし、不人気で長年売れ残っている土地だと公示価格より安く購入できるでしょう。
路線価(相続税評価額)とは
公示価格では、エリアごとの利便性や人気等に応じて、鑑定士が土地の価格を調べます。
ただし、土地に重きを置いた評価基準は、売買や相続によって土地の形が変わると評価も変わってしまいますし、一律の基準を求めるのも簡単ではありません。
そこで、「道路(公道)」に値段をつけ、「○円の道路に○メートル接しているから○円」という方法で土地の価格を計算できるようにしたのが、路線価です。
路線価は、国税庁によって決められる評価額で、おもに相続財産の価値を計算する際に使われています。
目安としては、公示価格の約8割程度になることが多いです。
固定資産税評価額とは
国土交通省が発表している公示価格等を参考に、各自治体が独自に決めているのが、固定資産税評価額です。
土地を持っていると毎年かかる固定資産税は、自治体によって徴収されています。
固定資産税評価額は、固定資産税の金額を確定させるために利用される評価基準です。
なお、一般的には、公示価格の7割程度の金額になります。
まとめ
土地の価格を決める4つの評価額を紹介しました。
評価額の違いを理解していれば、公示価格や相場を見比べて、売れ残っている土地に値引き交渉を持ちかけるといった方法で土地の購入を進められるようになるでしょう。
売り主や相手側の不動産業者と交渉をするためにも、土地の評価額はぜひ知っておいて欲しい知識です。
ただし、土地だけ良いものを用意しても、肝心の住宅部分に問題があると快適な暮らしは手に入りません。
自由設計の家や、注文住宅に向いた土地選びについてわからないことがあれば、ぜひ一度、当社にご相談ください。